EPO審査官が来た。

今日、事務所にEPO(欧州特許庁)の審査官の方が来ました。以前からお付き合いのある欧州弁理士からのご紹介ですが、彼が言うにはいちおう、審査官からのうちの事務所のご指名があったらしいです。正直、我々のようなそんなに大きくない規模の事務所にわざわざヨーロッパからよう来るな、と思いました。

欧州弁理士とはしょっちゅう会ってますが、現役の欧州審査官と面会するのは初めてです。わたしはじめてなの。来所された方は2名。多分スペイン(かポルトガル?)の方と、イタリアの方です。欧州特許庁の審査官だから公務員?ですか?、えらいカチカチに固いイメージというか先入観を持ってましたが、結構フランクな人達でしたね。ふにゃふにゃ。

なんでうちの事務所を指名したかというと、うち一人の審査官の方が個人的に興味ある会社の案件をうちの事務所が代理してたから、ということでした。そこの会社はその技術分野ではヨーロッパでも有名なのですが、ヨーロッパではほとんど特許を出してなくてホワーイジャパニーズピーポー?何故なんだベイべー!?という気持ちが抑えられなかったみたいです。

ヨーロッパの知財関係者と話をすると漏れなくtechnicalityの話と審査のスピードの話になりますが、今日も概ねそんな感じでした。途中、「EPOでは特許審査のスピードアップに取り組んでいて、2020年には審査開始から査定まで平均20ヶ月になる予定(どーだいすごいだろー)」とドヤ顔されかけましたが、「日本ではスタートアップ/ベンチャー向けのスーパー早期審査を使えば3週間で特許査定が出まっせ」と反撃したらギャフンと言ってました。ほんとに「ギャフン」て声が聞こえました私には。

そんなこんなで1時間半ほど、欧州特許庁と日本特許庁との実務、特に進歩性判断の差異について議論しました。

まあ最初に戻って、なぜ彼らが来日したかというと、EPOの特許実務について日本の出願人、代理人のフィードバックが聞きたい、ということらしいんですが、えらい地道な活動ですなそれ!

ていうか、出願の維持年金を無くしたらも少し日本からの出願が増えると思いますよ…。

あと、日本特許庁の、スタートアップ/ベンチャー向けの費用軽減制度について教えてあげて、EPOもぜひこういう制度を導入してね?ってお願いしておきました。公共広告機構、酒井法子からのお願いです。